この度、チェコセンターは青山目黒との共催で、プラハを拠点に活動する現代アーティスト、イジー・コヴァンダ(Jiří Kovanda、1953~)の日本では初の個展を開催致します。2020年12月19日より青山目黒にてスペースと状況そのものを新たに設定した新作を主に旧作近作を交えた展示「On Air」を、2021年1月18日よりチェコセンターにて近作のドローイングを中心とした展示「On Paper」を行います。
入場無料
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協力:SVIT(プラハ)
コヴァンダは独学で学びスタジオを持たず1970年代の半ばに活動を始めました。
プラハの雑踏や路上、公共空間などに於いて簡素なシナリオに基づき、埋もれるかの様に控えめなアクションを実施して当時それらの記録を白黒写真に指示書を添えてリーフレットに纏めていました。それらは余りにも目立たない実践でありながら、どこまでも都市空間の中で開かれていく仕掛けでもあったのです。
その中には「エスカレーターに乗って途中で振り向いて、後ろに立っている人の目を見る/ 1977」*1、「長い間太陽を見つめていて泣く/1977」*2、「手の平で作ったカップで川から水を汲み、数メートル下に放つ/ 1977」*3などがあり、当時の社会状況の下では彼が有名になることや「作品」として多くの人々に知らせることを第一の目的とはしていなかったのでしょう。
その細やかで気づかれないほどの営みは周囲の状況にも調和しながら、無力であることで個人の尊さをより肯定的に高めています。
それは社会への抵抗よりも志が高くあり、言語や概念(コンセプチュアルアート)に留めるには遙かに広く、政治的な影響があろうとも、誰にも奪うことのできない名も無き民としてのアンセムの様に静かに毅然と力を携えています。
また絵画やドローイング、場にそっと介入させた彫刻やインスタレーションにはアクションと同じく素朴な印象があり、どんな移ろい行く状況に於いても誰もがその内にある心情や事情は尊く、素材も時空も豊かである事を静かに示しています。
2000年代に入りコヴァンダの活動は今一度発見されました。
重要な国際的な展示に参加し、活発に制作しキャリアを重ねながら広範囲に渡り影響を及ぼしています。
(青山
秀樹
Hideki Aoyama / owner Aoyama Meguro gallery)
参照
*1 Untitled
(On an escalator … turning around, I look into the eyes of the person standing
behind me …) (3 September 1977)
*2 Untitled,
1977, (I’m crying. I gazed at the sun for so long that I have started to cry.)
*3 I
take some water from the river in my cupped hands and release it a few metres
down the river. 11 May 1976, Strelecky Island, Prague
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